在宅療養の結果としてのお看取り

この1年間で関わりをもった方のうち、24人の方がお亡くなりになりました。自宅で最期まで過ごされた方が18人、自宅で介護できなくなり施設に入所、そこで私がお看取りした方が2人、病院に入院となり病院でお看取りとなった方が4人でした。

関わりを持った方のうち、83%の方と最期までおつきあいしたことになります(ご自宅で最期まで過ごされた方は75%)。訪問診療を開始する前に、私はご本人、ご家族と面談という場を持ちますが、その時から「最期まで家で過ごす。」と心に決めている方はとても少ないです。「できることならば最期まで家で過ごしたい。」と思っている方はおられますが、多くの皆さんが不安を抱えた状態で面談に来られます。家族に負担がかからないだろうか・・・・、私に介護ができるだろうか・・・・、病気が急に変化したらどうするのだろうか・・・・等。そういった不安をできる限り取り除くために、90分以上の時間をかけて話し合いの場(面談)を持ちますが、やはり始めてみなければわからないというのが皆さんの正直な気持ちだと思います。
でも多くの場合、医師、看護師、ケアマネージャー、介護士等々でチームを作り、訪問を1週、2週・・・と重ねていくと、不安な気持ちが「こんな感じで皆が来てくれるならば家にいるよ。」という気持ちに変わっていきます。それが結果として最期まで自宅で過ごすということにつながり、最初に記した数値となっています。
「最期まで家で過ごさなければならない。」ではなく、「必要があれば施設入所や病院に入院もできるし、希望があれば家で最期まで過ごすこともできる。」ということ。私の仕事の目的は、看取ることではなく、日々の生活を支えるということ。それが結果として、自宅での看取りにつながっています。
やはり大事なことは、今を生きるということ、そしてその場所は人それぞれであり、私は家で過ごしたいという人を支えているということなのだと思っています。

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