本来の医療
医療とは、医師や看護師、その他様々な職種の医療者が協働して、病気を持っている本人、家族と、信頼関係を構築しながら作り上げていくものだと考えます
本人を含めた家族にとって何が望ましい姿なのか、どのような医療の関わりがその姿に近づけるのか、一緒に話し合い、作り上げていくものです
当然ですが一方的に医療者が提供するものではありません
多くの場合、本人、家族、それぞれの立場によって望ましい姿の希望は異なります
本人が幸せになって欲しいという願いは共通でも、本人、配偶者、長男、長女、孫・・・・それぞれが生きてきた立場、時代で希望の形は異なります
その様な中で、皆が納得できる姿を探し、そこに近づけていく作業
その作業は、治らない病気、治せない病状になった場合において、より大切なものとなってきます
治る病気であれば、当然「治す」という所で意見が一致しますが、治らない病状となった場合には、例えば・・・胃瘻を作るべきか否か、化学療法をするべきか否か、在宅療養を続けるべきか否か等々・・・意見の相違がでてきます
その様な中で丁寧に人間関係を作り、話し合いを重ねていく作業
信頼関係を構築しながら、早急に答えを求めず結論を作り上げていく作業
そして最後にみんながこれでよかったと思えるように作り上げていく作業
何を大事に過ごされてきたのか、今大切にされていることは何なのか、これから先はどのように過ごしたいと考えているのか、そんなことを話し合いながらより適切な形で医療を提供していく
病気は治せなくても人を幸せにする医療ってこういうことなのかなと思います
これが私が行っている在宅緩和ケアという仕事の一部分です